社会の治安に大きく貢献する非破壊検査の技術

見えない部分や破壊できない対象物を検査するための技術である非破壊検査や鋼管検査。
建物の強度測定や手抜き工事のチェック、耐震性診断などに活躍する最先端の検査技術ですが、活躍の場は建築現場だけにとどまりません。
非破壊検査の技術が大活躍しているのが、公的機関による治安維持活動です。
対象物を破壊せずに検査できるという大きなメリットを生かし、市民の財産を損なうことなく徹底的にチェックを行って不審物の有無や密輸品の発見、テロの防止などに大きく貢献しています。

海外からの入国者のチェックは、国の安全にかかわる重要な業務です。
違法な持ち込みはないか、禁止されたものを所持していないか、危険物を隠していないか等、徹底的な検査を行って入国者に問題が無いことを確認し問題のない人物だけに入国許可を出さなくてはいけません。

しかし、入国を希望する人間の数は多く、全員に徹底的な検査を行うわけにはいきません。
もし徹底的に検査をしようとすれば膨大な時間と労力が必要になりますし、個人の財産を壊してしまったり人権を侵害してしまう可能性もあります。
そこで活躍するのが、非破壊検査の技術です。
対象物に影響を与えずに検査を行うことができるこの技術は、検査の迅速化、簡便化に大きく貢献します。

飛行機の東上時に必ず行われる金属探知機によるチェックや手荷物のX線検査などは非破壊検査の代表的な技術であり、検査スピードのアップに大きく貢献しています。

最近問題になっているエボラ出血熱の親友を防ぐためには、感染者の特定と隔離が重要になります。
全ての人間の健康状態をチェックすることは困難ですが、サーモグラフィーによる体温チェックによって疑わしい人間を選別し、いち早く高度な検査を行えるように体制が整えられています。

公衆衛生の分野では検査対象者に接触せずに検査を行うことが感染防止のためにはとても重要になりますが、検査対象者に直接接触することなく体温を測定する技術にも非破壊検査の技術が応用されています。